「自己チュー」ー おもしろ日本語紹介
「自己チュー」ー おもしろ日本語紹介
日本社会では、あまり欲張らずに他人の事を優先し、自分は「無欲」でいることが美徳とされます。日本の映画、アニメ、漫画等を見ると、この価値観が自己犠牲の精神に根付いていることがよく分かります。
「無欲」の精神は「おもてなし」にも表れます。自分自身の利益は顧みずに、親切に相手に対応する日本人の様子を見て、初めて日本を訪れた多くの人が驚くほどです。
もっとも、誰にでも自分の欲求を優先する時があります。そんな状態の人を「自己チュー」(他に「自己中」、「ジコチュー」等々)といいます。
「自己チュー」は「自己中心的」の短縮形で、自分こそが一番大切であり、他人のことは考えられない人のことを言います。
当然ながら、「自己チュー」にはあまり良い意味はありません。友人や親しい人との会話でのみ使うようにしましょう。
「自己チュー」は人の態度を表す際にも使います。例えば、
- 「自己チュー男」
- 「自己チュー女」
- 「自己チューな人」
前に述べたように、日本社会では他人を尊重し、特に人の気持ちを害さないように気をつかいます。自分のことばかり話す人は、自己中心的な人間と見なされます。
例文をみましょう。
例文: 彼女は他人のことを気にしない。言い換えれば、自己中だ。
「自己チュー」はあくまで俗語です。一般名詞は前に述べた「わがまま」で、次のように使います。
- 「彼はわがままです」
- 「わがままな子供」
では、最後に会話例をみましょう。
(女性の友達同士の会話)
A:ねぇ聞いて。うちのダンナって本当に自己チュー!
B:どうしたの?
A:私がテレビを見てるのに、何も言わないで勝手にチャンネルを変えたんだよ。
B:あ~、それは確かにちょっと自己チューだね…。
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