「ダメもと」 ー おもしろ日本語紹介
「ダメもと」 ー おもしろ日本語紹介
外国語の俗語を勉強すると語彙の向上に役立つことがあります。一般の人が社会を見る目は、時に興味深く新鮮なものですが、俗語にはそんな視点がたくさん含まれているからです。今回は、そんな俗語のひとつ「ダメもと」を取り上げましょう。
何か新しいことを始めるとき、「失敗したらどうしよう。」あるいは「これを選んだら損しないだろうか。」などと心配することはありませんか。でも、物は考えようです。就職の例を考えてみましょう。インターネットで興味深い仕事の募集を見つけたとしましょう。面白い仕事なので応募しようと思っても、自分に十分な資格があるか不安になり、結局どうするか悩んでしまいます。でも、心配ご無用。決心して応募すれば良いのです。だって、
「ダメもとですから。」
「ダメもと で ______する」は、「恐らく無理だろうけれど、挑戦しても何も失うことはない」様子を言います。いわば、あまり期待せずにやってみることです。
「ダメもと」は「ダメで元々(もともと)」の短縮形です。「失うものは何もない」「やるだけやってみよう」「やらない理由はない」等と同じ意味になります。
では、同僚の間の会話の例をみてみましょう。
A:今年の夏に、できれば一週間休みを取って海外旅行したいけれど、部長が何て言うか心配…。
B:いいって言うかもしれないでしょ。ダメもとで聞いてみなよ。
次に、友人どうしの会話例です。
A: 転校してきた女の子、すごく可愛いよな。
B: 話しかけてみれば?
A: う~ん、そういうの苦手なんだよね。
B: ダメもとでさ! 行ってみろよ!
A: わかったよ。えぇい、ダメもとだ!
「ダメもと」は便利な表現ですが、既にお分かりのとおり、使える場面は親しい友人や同僚とのカジュアルな会話に限られます。お気に入りの女の子をデートに誘おうか、あるいは人気のレストランを予約しようかどうか迷ったら、まずは行動を起こしましょう。だって、
「ダメもとですから。」
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