「アラサー」 ーおもしろ日本語紹介
「アラサー」 ーおもしろ日本語紹介
日本のマーケティング手法に興味がある方は「アラサー市場」という表現を聞いたことがあると思います。「アラサー」は外来語がその由来で、「約 30歳」の意味です。従って、「アラサー市場」は30歳前後の人向けの市場のことです。
「アラサー」は 2000年代に、ファッション雑誌の GISELe や GLITTER が初めて登場しました。当時、「アラサー」は 30歳代の女性のみを指しました。今日では男性も含むようになり、ファッションのみならず、ライフスタイル、家庭用工具や家電等の業界でも使われています。
「アラサー」のように特定の年齢層に注目する言葉が普及したのは、生活様式、社会背景およびヘルスケア分野で起きた大きな変化と無縁ではありません。年齢別に市場を絞り込むことで、それぞれの年齢層に最も適した製品をより的確に宣伝できるようになりました。例えば、50年代の富裕層向け雑誌にはグッチやエルメスが頻繁に登場します。
アラサーの普及に後押しされるように、2000年台になると全ての年代を表す独自の和製英語ができました。40歳台は「アラフォー」、50歳台は「アラフィフ」といった具合です。
- 20歳台: アラハタ・アラトゥエ
(*20歳が “はたち”と呼ばれることに由来) - 30歳台: アラサー
- 40歳台: アラフォー
- 50歳台: アラフィフ
- 60歳台: アラカン (*60歳の誕生日は 「還暦」が由来)
- 70歳台: アラセブ
- 80歳台: アラエイ
- 90歳台: アラナイ
では、例文をみましょう。
例 1:
A:アラサーの歳になるとどういった服を着れば良いのかわからなくなってしまいました。
B:気にしないで着たほうがいいと思いますよ。
例 2:
A:今日はお誕生日だね。おめでとう!
B:ありがとう。でも、アラフィフになっちゃう . . . 50代はまだ先だけど、50代って楽しいのかな。
A:そうだね。でも変わらないんじゃない?49も50も51も皆同じだ!
年代別では、「アラサー」、「アラフォー」、「アラフィフ」がもっともよく使われます。
ところで、会話でこれらの表現を使う場合は一定の配慮が必要です。日本では、特に女性にとって年齢は敏感な話題だからです。日本人にとても丁寧に年齢を尋ねてみても、多くの場合は「秘密です。」と言われて終わるのはこのためです。
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