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あいうえおブログ!〈そ〉……「そうだ 京都、行こう。」

Posted by on June 1, 2018 – あいうえおブログ!

English

そうだ 京都、行こう。」は、東海道新幹線 (とうかいどうしんかんせん) の会社、JR東海が1993年に始めて今でも続いているキャンペーンの広告の文(コピー)です。毎年、春の桜や秋の紅葉の季節の前に、テレビコマーシャルでは、BGMの “My Favorite Things” という曲といっしょに、美しい京都の景色の映像(えいぞう)が流れます。JRの駅などには、大きなポスターが()られます。

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さて、まず『そうだ』について。
みなさんが初級で勉強する『そうだ』は、

①(空を見て)雨が降りそうだ。

②(天気予報を聞いて)雨が降るそうだ。

ですね。

残念ですが、「そうだ 京都、行こう。」の『そうだ』は、どちらでもありません。この『そうだ』は、何かいいアイデアが頭の中に浮かんだときなどに使う言葉です。少し強く言うときに使います。 『そうだ』を辞書で調べても、辞書にはありません。

おなかがすいたなぁ……。そうだ! 先週買ったカップラーメンを食べよう。

この日本語の宿題、難しいなぁ。どうしよう……。そうだ! いっしょにアルバイトをしている木村さんに手伝ってもらおう。

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「そうだ 京都、行こう。」は、読点(とうてん)(、)や句点(くてん)(。)を入れても、たった10文字の短い文です。でも、この文に決まるまでに、いろいろなことを考えたのだろうと私は思います。

たとえば、この文は、「そうだ、京都行こう。」でもないし、「そうだ! 京都行こう!」でもありません。横書(よこが)きに書くときは、『そうだ』と『京都』のあいだが少し(半角(はんかく)()いています。そして、京都を真ん中にしています。そして、そのあとに読点(とうてん)(、)があって『行こう』があります。

◎ 「そうだ 京都、行こう。」 ⇒ 『京都』を思いついたことが強くなる。

△ 「そうだ、京都行こう。」  ⇒ 『京都行こう』を思いついたことが強くなる。

こう書くことによって、読む人に『京都』だけを強くイメージさせていると思います。

縦書(たてが)きのときも、3行に分けて書いて、『京都』を真ん中にしています。

そうだ 京都、行こう

このように、日本語はことばの選び方だけでなく、文を読む人が文を見たときにどう感じるかを考えて書くことがあります。たとえば、小説などの文章で、同じ言葉を漢字、カタカナ、ひらがなのどれを使って書くかで、文を読む人の印象(いんしょう)が変わるのです。

例) 人、ヒト、ひと

日本語は、難しいけど面白いと思いませんか…?

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Coto Language Academy 講師

松本重美

今回の著者は松本重美先生。松本先生は中学校の国語教師を23年勤めた日本語のプロです。Coto Academyでは中級レベルのインテンシブコース、ビジネス日本語コース、N1対策コースの担当の他、教材開発も担当されています。

Coto Langauge Academy コト・ランゲージ・アカデミーは、東京および近県に住む海外の方向けに生活のための日本語レッスンを提供している日本語学校です。日本語プライベートレッスン、週1~2回の日本語グループレッスン、週5日の日本語インテンシブコースがあります。ご興味のある方はぜひお問い合わせください。

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