magokoro-1

あいうえおブログ!〈ま〉……「真心」

Posted by on September 28, 2018 – あいうえおブログ!

Click here for English version

Need Furigana?
Download IPA for Chrome
Download Friganify for Safari

真心(まごころ)

意味:真実の心。偽りや飾りのない心。誠意。

「真心のこもった贈り物」「真心を尽くす」

私が大学を卒業して最初に就職した会社の上司、
つまり生まれて初めて体験する“上司”という存在が、Sさんでした。
その頃の私より一回り以上年上の女性で、
人事課の課長としてバリバリ働いていました。
社会人1年目の私は、ろくな仕事もできないくせに、もしくはできなかいからこそ、
“理想の私”と現実のギャップに押しつぶされないために、
会社や仕事に批判的な姿勢を取ることで自我を守っていました。

「こんな仕事をするために入社したんじゃない!」とか
「こんなやり方おかしい!」とか。
部下を育成することが職務の一つであったSさんにとっては、
なんとも面倒な若造だったと思います。でもSさんは、
そんな私の疑問に根気強く答え、なだめ、すかし、付き合い続けてくれていました。

ある年、社内から選抜された優秀者が行く恒例のご褒美ハワイ旅行に、
Sさんが行くことになりました。その頃の私は反抗期真っ盛りで、
髪の毛を突然アフロ風にしてみたり、民族衣装みたいな恰好で出勤してみたり、
Sさんと大喧嘩を繰り広げたり、まぁ思い出したくもない時期でした。
旅行を終えたSさんが会社に戻った時、反抗心を露わに迎えた私に、
Sさんは、お土産をくれました。
包みの中には、青い石がついたネックレスと、
「あなたが一度だけ着ていた、ブルーのスーツに合うと思います。
あなたはスーツも似合いますよ。大人になるまで、待ちます。
手がかかるほどかわいいと言いますね。」
と書かれたメッセージカード。
私は、びっくりして、恥ずかしくて、でもまだ素直になれなくて、
ちゃんとお礼を言ったのかも覚えていません。

その会社は結局は退職することになり、何回かの転職を経て、何人かの上司を経て、
自分が上司になることも経て、今に至ります。その過程の中で、
Sさんが、ご自身の結婚式直前に交通事故で亡くなったことを知りました。
そして今の私は、Sさんの年齢を追い越しました。

その青い石がついたネックレスは、私にとって真心の象徴です。
迷った時、青い石が問いかけてくれます。
その言葉は、その行動は、相手のためか、自分のエゴか。
Sさんならどうするだろうか、と。

皆さんにとっての、“真心(まごころ)”の象徴は何ですか?

根津綾奈

今回の著者の根津綾奈さんは、

2018年2月より麻布十番のCoto Japanese Club勤務。

塾などの教育業界で、長く採用や研修業務に関わってきました。

2017年より初めての日本語教育業界となるCoto Academyに入社。

最近は落語にハマっています!